『北本聖明阿闍梨のつぶやき雑記』知らぬ間にですね・・・・そのようなものです。

『北本聖明阿闍梨のつぶやき雑記』

前回のblogより随分と時間が経っておりました。そう・・・12月に入ってますね。今日は6日です。急に寒くなったことも重なり大変忙しく、blogまで手が届かずとになっております。寺院の方にも年末で今年もお世話になりましたと挨拶されるお弟子さんもおられ、伝授を受けに来寺する弟子もおられでバタバタしているのですが、先日、伝授に来られたお弟子さんですが、諸法をさせると最初のころから比べると、素晴らしく良くなっており、びっくり致しました。時はただ重ねているだけではなく、ちゃんとこなせば結果が見えるものであると感心しました。若いお弟子さんなのでこれからが楽しみではあります。そして、ですが・・・

最近、私は失敗ばかりしております。ああこぼした、ああ忘れた💦段々と老化現象になっているように思い少々凹む時も正直あります。でもでもですが、動画撮影で自身の姿を撮影後に見てみると撮っている時は正直『今一かな・・・』と思っていたのです。しかし、実際に撮った映像を見ると『へーなかなかですね』でした。何とも言えないのですが貫禄があるというか味があるというか・・・オーラが出るものですね。知らぬ間に・・・年輪を重ねると自分では意識はないですがそうなるものです。思えば昔、私もここに来られる若いお弟子さんと同じような感じの時がありました。無駄に年は取ってないですね。

今日の仏言です。

仏像が教えてくれた“失敗の本当の意味

また失敗してしまった。どうしてできないのだろう。いつまで経ってもうまくいかない。そんな時、私は仏様の前に座るようにしております。
今は忙しくなかなか出向けませんが、時々、京都の東寺へ足を運ぶことがあります。講堂に入り、千年の時を超え、たたずむ諸尊のお姿を見る。そうしていると何故だかわかりませんが、胸の奥に静けさを降ろして下さいます。語られるわけではないのに、不思議と頭の中が整理され、心がスッと澄んでいく。三昧耶曼荼羅、物質の世界のエネルギーの深さ、仏さまの放つ波動を確かに受け取っているのだといつも思います。色あせ、原型をとどめていないのに何故でしょう。新しいものには勢いのエネルギーがあります。しかし、長い歴史を経た仏像は、それとはまったく違う深みと重みを感じます。手を合わされる方々に無言の智慧を与え続けて下さる。そのエネルギーは千年以上もの時を粛々と重ねなければ生まれない、有難いものだと感じます。

そう感じると人の魂も同じであるように思います。時は、ただ重ねているだけのものではなく。失敗や痛み、また、喜びやご縁、すべてが意味のある年輪。木が幹を太くしていくように、出来事一つひとつによって深まり、成熟していくもの。つまりは良くないことも身になる一部。そう感じるようになりました。

今があるのも皆様の懸命な努力です。自身は知らぬ間に素晴らしく輝いている。ご自身が気づいておられないだけかもしれません。失敗やヘマは肥やし、むしろ、恥と思わず、誇りとして歩んでいただきたいと思います。皆様はよく頑張っておられます。今の皆様の魂は、確かに育ち、実りを重ね、美しく輝いています。そして、そのような機根ある皆様へお祈り申し上げます。今日の仏言でございました。本日も大変お疲れ様でございました。明日もまた、よい一日でありますように。　北本聖明　合掌

若い方は失敗を恐れずより多く挑むこと。そして中年以降様は失敗も美。時としてチャーミングに見えることもある。四角四面に基準を合わす必要はありません。人間味、それが仏様の無言の語りなのだと思います。師走、少々のミスはお許しを・・・肩に力を入れずお過ごし下さい。どうぞ風邪など引かれませんように。ご自愛下さい。ではこれにて・・・再び合掌

追伸

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『今日の仏言』は毎週土曜日午後8時30分配信予定です

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